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P.マーシュ著『モンゴルにおける馬頭琴と伝統の国際主義的再構築』

Marsh, Peter K. The Horse-head Fiddle And The Cosmopolitan Reimagination Of Tradition in Mongolia. New York:Routledge, 2009.

図表リスト
まえがき
序章
1、革命以前のモンゴル社会における二弦弓奏楽器
2、国民音楽文化の建設
3、ソヴィエト・モダニズムと国際主義的ナショナリズム
4、N.ジャンツァンノロブとモンゴル音楽のナショナリズムの再創造
5、フォーク・リヴァイヴァルと馬頭琴の再構築
6、オルタナティブな音楽史の根強さ
インタビューリスト

参考文献
索引

序章
 この研究は現代モンゴルにおける伝統文化とその過去との関係の問題を議論の中心としている。その核となるのはモリン・ホール、つまり2弦の弓奏楽器、馬頭琴である。1990年代にナショナル・アイデンティティの偶像かつこの国家の古代以来の文化遺産の象徴となった楽器である。その過去の歴史に焦点を当てる一方、民族の象徴としての在り方が非常に現代的な意味での文化の伝統を代表もし、その構造と付随する意味を変化させてもいる。その変化はモンゴル国自身が激動の時代を迎えた20世紀に起こった。
 20世紀末のモンゴル社会はその世紀の転換期と同様に興味が尽きない。あらゆる意味でそれらは各々2つの根本的に異なる社会象徴している。つまり主に田舎の伝統的とされる遊牧の社会と主に都会のコスモポリタン的な工業社会またはポスト工業社会である。ソ連の支援により成し遂げられた1921年の人民革命後、数十年間西洋的近代化の道が選ばれたことで、モンゴル国では進化論や科学的法則、合理主義に基づいた「新しき社会」が育まれることとなった。多くのモンゴル人は積極的に生活面、労働面でその新しい道を、そのように世界で存在することを受け入れた。しかしいわゆる「古き社会」を過ごした人々の時代を過ぎると、2つの社会の断絶はますます大きくなった。20世紀末までに、モンゴル人の過去へのノスタルジーと独自の文化的アイデンティティ喪失への危機感は「古代」や革命前との連続性を取り戻す欲求となっていった。モンゴル人たちがすでに崩壊しつつあったソ連からの決別と完全なる政治的経済的文化的独立を達成した時、このような動きは1990年の民主革命を引き起こした環境を形成する一助となった。
 現在のモンゴルと革命前との関係の本質はしかし、複雑でまだまだ解明されていない。自らを独立国家だと規定する中で、モンゴル政府は現在の主権の正当性を示す手段として、過去との連続性を強調している。2000年代初頭のウランバートルで、この正統性は、国会議事堂前のチンギス・ハン廟建設の際にも文字通り主張された。鉄と石による巨大な構築物が立てられ、チンギスと13世紀と14世紀の他の大ハンの像が立てられ、今の国家は彼らこそがモンゴル国の礎を築いたとみなしている。ナショナリズムが社会を構築する根本的なシステムとして社会主義にとってかわり、芸術が、この場合は彫刻と建築だが、直前の過去との断絶を表している。
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Yapony Bagsh

Author:Yapony Bagsh
Welcome to the world of Mongolian music! I've studied Mongolian language and musical culture in Ulaanbaatar(the capital of Mongolia) for one year. I hope you enjoy various music of Mongolic peoples.

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